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【2026衆院選】各党の「税金公約」を徹底比較。実現不可能なバラマキを見抜くための「財源」を検証

聞こえの良い公約に潜む罠

選挙戦が始まると、どうしても耳に入ってくるのが「減税」「給付金」という言葉です。特に今回は、物価高対策として野党各党が競うように「消費税減税・廃止」や「手取りアップ」を掲げています。

しかし、私たち有権者は冷静にならなければなりません。聞こえの良い公約を前にしたとき、常に2つの核心的な問いを投げかけるべきです。

「その財源はどこにあるのか?」 「実現した場合、私たちの年金や医療はどうなるのか?」

主要政党の税制公約・スタンス比較表

現在の主要各党の主張

政党・会派

消費税の方針

その他の税・経済政策

財源の考え方

実現可能性と懸念点(辛口評価)

自民・公明(与党)

維持<br/>(10%・8%のまま)

・賃上げ促進税制の強化<br/>・低所得者向けの給付金

現状の税収を維持し、成長による自然増収を狙う

【高】

現状維持なので実現性は最も高いが、物価高への即効性には欠ける。「痛み」を伴う改革を先送りしている感は否めない。

立憲民主

一時的な減税<br/>または給付付き税額控除

所得税の累進性強化(富裕層増税)<br/>・金融所得課税の強化

富裕層や大企業への増税で賄う主張

【低〜中】

「一時的」な変更はシステム改修コストが莫大。富裕層増税だけで消費税減税分(数兆〜20兆円規模)を賄うのは計算上かなり厳しい。

日本維新

減税<br/>(8%への統一など)

・フローからストックへの課税転換<br/>・ベーシックインカムの検討

「身を切る改革」と徹底的な行政改革による支出削減

【低】

行政改革は必要だが、消費税を恒久的に下げるほどの財源を生み出すには、公的サービスの相当なカットが必要になるはず。

国民民主

維持・減税含み

「年収の壁」突破基礎控除等の引き上げ)<br/>・ガソリン税減税(トリガー条項)

税収増が見込めるまでの国債発行、または経済成長による自然増収

【中】

現役世代には最も魅力的だが、控除拡大による数兆円規模の税収減をどう埋めるかが不透明。「経済成長すればOK」は希望的観測のリスクがある。

れいわ・共産

廃止

法人税増税<br/>・富裕層への課税強化

新規国債の発行(れいわ)、大企業・富裕層への課税(共産)

【極めて低い】

消費税収(約23兆円)をゼロにする穴埋めは、ハイパーインフレ金利急騰のリスク、あるいは企業の海外流出を招く恐れがあり、現実的とは言えない。

 

 

その「減税」は本当に可能なのか?

表を見ていただくとわかる通り、与党以外はほぼ「減税・負担軽減」路線です。しかし、ここには大きな落とし穴があります。

1. 「富裕層への課税」で全ては賄えないという現実

「消費税をなくして、金持ちや大企業から取ればいい」という主張は痛快に聞こえます。しかし、日本の法人税は実効税率で見れば既に低くはありません。これ以上極端に上げれば、企業はより税率の低い国へ拠点を移すだけです。そうなれば、日本国内の雇用が失われ、税収も減るという本末転倒な結果を招きます。

2. 「国債発行(借金)」という麻薬の危険性

「国がお金を刷ればいい」という理論(MMTなど)もありますが、円安がこれだけ進み、金利が上がり始めている現在の日本で安易に国債を増発すればどうなるでしょうか。通貨(円)への信用が失われ、さらなる物価高騰(ハイパーインフレ)を招くリスクが極めて高いと言わざるを得ません。そして結局、その膨れ上がった借金を返済するのは、私たちの子供や孫の世代なのです。

3. 語られない「社会保障」とのトレードオフ

最も重要な論点がこれです。消費税収、実に年間約23兆円は、その使い道が法律で「年金・医療・介護・子育て」の社会保障4経費に限定されている財源です。つまり、消費税と私たちの社会保障は直結しています。

「消費税を減らす」と言うのなら、同時に**「どの社会保障を削るのか(医療費の自己負担を上げるのか、年金を減らすのか)」**をセットで語らなければ、それは無責任なポピュリズムです。

この問いに明確に答えない減税論は、全てまやかしだと考えるべきです。

耳障りのいい言葉より「持続可能性」を選ぼう

私たち50代は、親の介護や自身の老後が目前に迫っている世代です。今、手元の数万円が増えることよりも、「将来、年金がちゃんと支払われること」「医療制度が崩壊しないこと」の方が、遥かに重要ではないでしょうか。

今回の選挙、各党の公約を見る際は、ぜひ「減税」の文字の横に、「で、その財源は?」の問いに答えに詰まるような、あるいは夢物語のような財源論を語る候補者に、私たちの未来を託すわけにはいきません。