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「鳴かぬなら待とう」家康に学ぶ、人生の“冬”の賢い過ごし方

役職定年という「壁」の前で

「部長」「課長」といった肩書が外れた瞬間、まるで自分が「何者でもなくなった」ような感覚。給料は下がり、昨日までの部下は元同僚に。モチベーションを保つのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

「まだやれるのに」「もっと評価されるべきなのに」。そんな焦りや葛藤を胸に抱えるのは、私たち世代にとって自然なことです。

しかし、そのモヤモヤした気持ちから、つい無理をして空回りしてしまったり(秀吉型)、現状に腹を立ててしまったり(信長型)していませんか?

そんな息苦しさから私たちを解放してくれるのが、徳川家康が示した「待つ」という、したたかで賢い処世術です。

1. 「鳴かぬなら…」家康が見せた最強の処世術

かの有名な句、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」。 これは、ただの我慢や忍耐を説いているわけではありません。その本質は、「時が来るまでは、無理に動かなくていい」という、究極の現状肯定の哲学なのです。

家康は、幼少期から今川家、そして織田家の人質として、長きにわたり不遇の時代を過ごしました。自分の意志では何もできず、ただ耐え忍ぶしかない日々。

しかし、彼はそこで腐りませんでした。動けないからこそ人の心を深く見抜き、明日のために自身の健康を徹底的に管理し、天下を動かすための知識を貪欲に蓄えたのです。ただ待つのではなく、来るべき時に備え、したたかに爪を研いでいたのです。

「思い通りにいかない時期」こそが、後の天下人・徳川家康を創り上げたと言っても過言ではありません。

2. 「焦らなくていい」という自己肯定感

役職定年後の状況は、この家康の人質時代とどこか似ているかもしれません。会社という組織の枠組みの中で、以前のような権限や自由がなくなった状態です。

しかし、それは決して「敗北」ではありません。家康がそうであったように、「今は主役として輝く時期ではない」と割り切ることは、自分を守るための賢明な戦略的撤退なのです。

冬の植物を想像してみてください。地上では枯れたように見えても、土の中では春に備えて力強く根を伸ばしています。目に見える成果が出ない時期でも、私たちの内面は着実に成長しているのです。

会社や世間が求める「成果」という呪縛から自らを解き放ち、「今は鳴かなくていい」と許可を出してあげましょう。成果を焦らず、心に余裕を持つこと。それこそが、成熟した大人の風格につながっていきます。

3. 家康流・賢い「待ち時間」の過ごし方

家康が最終的に天下を取れたのは、誰よりも健康で長生きし、万全の準備ができていたからです。「今は鳴かなくていい」という心の余裕を手に入れたら、次はその「待ち時間」を未来への最大の投資に変えていきましょう。では、現代を生きる私たちは、この人生の「待ち時間」に何をすべきでしょうか。

  1. 健康オタクになる 家康は、薬の調合や鷹狩りを趣味とし、当時としては驚異的な長寿を全うしました。これからの人生で最も大切な資本は、健康な心と身体です。「仕事の成果」よりも「自分の心身のメンテナンス」を最優先事項にしましょう。
  2. 実務能力を磨く これは、かつてのように部隊を率いて派手な戦果を挙げる(マネジメント)のではなく、自らの領国を着実に豊かにする(実務スキル)ことに喜びを見出す時期です。もう一度、現場の一担当者として仕事を楽しんでみる。あるいは、新しい趣味や将来の副業につながるスキルの種まきをするのも良いでしょう。
  3. 「時」を味方につける 焦って動けば、判断を誤ります。役職定年を経て、その先の「本当の自由」が来るその時まで、爪を研ぎながらニコニコと過ごす。これこそが、長い人生で「負けない」ための賢い生き方です。

あなたの「天下」はこれからだ!

徳川家康が天下統一という大事業を成し遂げたのは、彼の人生の晩年でした。

「今は鳴かなくてもいい」。そう思えた瞬間、肩の荷が下り、本当の意味で自分の人生を生きる準備が整います。焦らず、腐らず、家康のようにしたたかに、この時期を楽しみましょう。