50代のマネー・キャリアのブログ

50代からの攻めのスローライフ:資産と健康を守る戦略ブログ

理想の退職計画を立てるためのチェックリスト。キャリア終わりから始まる新生活

定年前に会社を辞める時の「完全チェックリスト」。退職願を出す前に確認すべき書類と手続き

「もう、少し早めにゆっくりしてもいいんじゃないか?」 「早期退職制度に応募しようか迷っている」

50代になると、定年を待たずに会社を去るという選択肢が、ふと頭をよぎることがあります。しかし、20代や30代の転職と同じ感覚で、勢いで退職を決めてしまうのは危険です。

50代での退職は、退職金の税金、健康保険料、そして年金手続きといったお金に直結する選択を一つ誤るだけで、数十万円単位の損をしてしまうことがあるのです。会社にいる間は総務部が当たり前に処理してくれていた手続きを、これからはすべて自分で行わなければなりません。手続きの順番や選択を間違えると、受け取れるはずのお金が受け取れなかったり、余計な税金を払うことになったりするのです。

この記事は、私自身が経験して学んだ「転ばぬ先の杖」です。50代で会社を辞める際に、金銭的な損をしないための具体的なチェックリストとして、ぜひご活用ください。

衝撃の事実:たった1枚の書類で、税金が20%も変わる

退職手続きの中でも、特に注意すべきなのが**「退職所得の受給に関する申告書」**です。

この書類を退職前に会社へ提出し忘れると、あなたの退職金から、所得税として約20%もの金額が源泉徴収されてしまいます。

もちろん、後から自分で確定申告をすれば還付を受けられますが、それは非常に手間がかかる上、一時的に手元資金が大きく減ってしまうことになります。この申告書は、会社から渡されるのが一般的ですが、もし受け取っていなければ必ず請求し、在職中に提出を済ませておきましょう。

要注意:健康保険の選択ミスで、保険料が2倍になることも

退職後、多くの人が直面するのが健康保険の選択です。選択肢は主に3つあり、どれを選ぶかで毎月の保険料が倍以上変わることも珍しくありません。

  • 任意継続 会社の健康保険に最長2年間、継続して加入する方法です。ただし、これまで会社が半額負担してくれていた保険料が全額自己負担になるため、在職中の約2倍の金額を支払うことになります。
  • 国民健康保険 お住まいの市区町村が運営する保険です。注意点は、退職した年は、前年の高い所得を基準に保険料が計算されるため、任意継続よりも保険料が高額になるケースが多々あることです。
  • 家族の扶養に入る 配偶者が会社員などで社会保険に加入している場合、その扶養家族になる選択肢です。年収が130万円未満など、一定の条件を満たす必要がありますが、もし可能であれば保険料の自己負担がなくなるため、最も経済的な選択と言えます。

どの選択肢が最適かは個人の状況によって全く異なります。必ず退職前に、お住まいの市区町村や会社の担当部署に問い合わせ、それぞれの保険料を試算してもらうことを強くお勧めします。

盲点:配偶者を「年金未納」にしてしまう、うっかりミス

60歳未満で会社を退職した場合、厚生年金から国民年金(第1号被保険者)への切り替え手続きが必要です。これは多くの方が認識していることですが、落とし穴はその先にあります。

それは、配偶者を扶養に入れていた(第3号被保険者だった)場合の手続きです。

あなたが退職して厚生年金を抜けるのと同時に、配偶者の第3号被保険者の資格も失われます。そのため、配偶者自身も国民年金(第1号被保険者)への切り替え手続きを別途行わなければなりません。この手続きを忘れてしまうと、配偶者は**「年金未納」**の状態に陥ってしまいます。将来受け取る年金額が減ってしまう重大な問題につながるため、絶対に忘れないようにしましょう。

【完全版】損しないための退職手続きチェックリスト

ここでは、退職願を出す前から退職後にやるべきことを、具体的なチェックリストにまとめました。

退職願を出す前に:会社にいる間にやること

就業規則と退職金規定の確認 「自己都合」での退職か「会社都合」かによって、退職金の額が大きく変わることがあります。早期退職優遇制度を利用する場合は、その適用条件もしっかりと確認しましょう。

有給休暇の残日数確認と消化計画 残っている有給休暇は、労働者の正当な権利です。最終出社日から逆算して、すべて消化できるように計画的にスケジュールを組みましょう。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出 前述の通り、退職金にかかる税金を適正化するための最重要書類です。必ず在職中に会社へ提出してください。

退職日に:会社から必ず受け取る5つの重要書類

最終出社日、または後日郵送で会社から受け取る書類です。これらの書類がないと、その後の公的な手続きが進められなくなります。

雇用保険被保険者証 ハローワークで失業給付を申請する際に必要です。

年金手帳 会社に預けていた場合に返却してもらいます。国民年金への切り替え手続きで必要です。

源泉徴収票 確定申告や、再就職する場合に新しい勤務先へ提出するために必要です。

離職票(1と2) **【超重要】**失業給付(基本手当)の申請に必須の書類です。通常、退職後10日〜2週間ほどで郵送されますが、届かない場合は会社に催促しましょう。

健康保険資格喪失証明書 国民健康保険への切り替えや、家族の扶養に入る際に必要となる証明書です。

退職後に:市役所などでやる手続き

会社を辞めたら、自分で公的な手続きを行う必要があります。期限が短いものもあるため、迅速に行動しましょう。

健康保険の切り替え手続き 退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。前述の「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養」の3つの選択肢から、事前に試算した最も有利なものを選んで手続きします。

国民年金への切り替え手続き 60歳未満の方は、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。特に、扶養していた配偶者も同時に手続きすることを絶対に忘れないでください。

雇用保険(失業給付)の申請 会社から受け取った「離職票」を持ってハローワークへ行き、失業給付の申請を行います。再就職の意思がある方が対象となります。

スマートな準備で、セカンドライフの好スタートを

 

50代での退職は、キャリアの「終わり」ではなく、新しい人生、セカンドライフの「始まり」です。

一見すると面倒に感じる手続きも多いですが、これらを一つひとつ着実にこなすことで、払い過ぎた税金の還付を受けたり、無駄な保険料の支払いを防いだりすることができます。それは、これからの人生における大切な資金を守ることに他なりません。

「会社を辞めようかな」という思いが頭に浮かんだら、まずはこのリストを見返してみてください。しっかりと準備さえできていれば、将来への漠然とした不安はずっと小さくなるはずです。