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「うちは財産がないから大丈夫」が一番危ない。80代の親を持つあなたが、年末に絶対話すべき相続の3つの真実

「うちは財産がないから大丈夫」が一番危ない。80代の親を持つあなたが、年末に絶対話すべき相続の3つの真実

なぜ「他人事」ではないのか

ファイナンシャルプランナーとして、50代のお客様から「年末年始に帰省するのですが、親とお金の話をするのはどうも気が重くて…」というご相談をよく受けます。「うちは裕福じゃないから相続トラブルなんて関係ない」と考えて、つい話を先延ばしにしてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、その考えが一番の落とし穴かもしれません。実は、80代の親を持つ50代の私たちが今すぐに行動すべき理由は2つあります。一つは、兄弟姉妹間の些細な認識のズレが将来の「争族」に発展するリスク。そしてもう一つは、それ以上に現実的な、親の認知症による「資産凍結」のリスクです。

親子ともに判断力がはっきりしている「今」だからこそ、将来予測できる問題を避け、家族全員の安心を守るために話し合うことが何よりも大切なのです。

 

真実1:相続トラブルは「普通の家庭」で起きている

「うちは財産がないから関係ない」——本当にそうでしょうか?最も驚くべき事実は、相続トラブルは決して富裕層だけのものではない、ということです。

実際に家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件のうち、**約4分の3は、遺産総額5,000万円以下の「普通の家庭」**で起きています。

なぜ資産が多くない家庭でトラブルが起きるのか。最大の理由は、遺産のほとんどが「実家の土地と建物」というケースが多いからです。現金のようにきれいに分割できない不動産が一つだけあると、「実家に住み続けたい兄」と「売却して現金で分けたい弟」のように意見が対立し、深刻な問題に発展します。

こうした事態を防ぐための最も強力な切り札が**「遺言書」**です。親の意思を明確な形で残しておくことで、子供たちが不動産の分け方で争うことを防げるのです。

真実2:本当の敵は「資産凍結」のリスク

兄弟姉妹間の争い、いわゆる「争族」を心配する方は多いですが、それよりもっと身近で現実的な脅威があります。それは、親の認知症による「資産凍結」です。

もし親が認知症と診断され、法的に意思能力がないと判断されると、たとえ家族であっても、本人の銀行口座からお金を引き出したり、定期預金を解約したりすることができなくなります。不動産も同様で、売却はもちろん、家の修繕さえできなくなってしまうのです。

具体的には**「介護費用を捻出するために実家を売りたいのに売れない」**といった事態に陥りかねません。これは家族間の感情的な対立ではなく、親の介護という生活に直結する切実な問題です。このリスクを避けるためにも、親が元気なうちに話し合っておくことが不可欠です。

真実3:「魔法の言葉」で会話を始める

とはいえ、どうやってこのデリケートな話題を切り出せばいいのでしょうか。ストレートに「相続の話をしよう」と言えば、親を不快にさせてしまうかもしれません。

そこで、会話をスムーズに始めるための「魔法の言葉」があります。ポイントは、「あなたの財産が欲しい」ではなく、「あなたの想いを大切にしたいし、残された家族が困らないようにしたい」という姿勢で伝えることです。

「最近ニュースで見たんだけど、今は元気なうちに家のことや手続きを決めておく人が増えているらしいよ。父さん(母さん)が大切にしてきたこの家、これからどうするのが一番いいか、一緒に考えない?」

この切り出し方は、最近のニュースをきっかけにすることで自然な会話の流れを作り、「親の意思」を尊重する姿勢を示せます。これにより、相手も警戒せずに話を聞き入れやすくなり、「遺言書を作っておくのはどうかな?」といった具体的な解決策の話し合いへとスムーズにつなげることができます。

結論:今が最後のチャンスかもしれない

親が80代、子が50代。親子がお互いに元気で、冷静に将来について話し合える時間は、実はそう長くはありません。この貴重な機会を逃してしまうと、後で必ず後悔することになります。

相続の話し合いは、決してネガティブなものではありません。それは、親の人生と想いを尊重し、家族全員の安心を守るための、先を見越した親孝行です。

今年の年末年始は、お酒を飲み交わしながら、少しだけ真面目に「家族のこれから」を話してみませんか?それが、親にとっても子にとっても、一番の安心というお年玉になるはずです。

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